黒鋼の翼  世界観



――世界は一度、崩壊した。

かつて、原因不明の一筋の光によって、世界は一瞬でその機能を麻痺させた。
地上の半分は荒野になり、海は毒を孕んだ。そして、人々には不可思議な力が与えられた。
世界崩壊以後、生まれた子供の中に、何割かの確率で生まれる能力者。
中心都市デルタ・ヴァルナを筆頭に始まった再建の中で、その組織は自然と出来上がった。
SLE能力犯罪者管理機関。
犯罪を起こすSLE能力者達を取り締まるため、政府管理下に集ったSLE能力者達の組織。
数あるSLE能力者犯罪管理機関の中でも頂点に君臨する「セントル・マナ」に一組の「翼」がいる。裏社会で、最も怖れられている、その「翼」。
黒髪を携えた女の騎士。
銀髪を携えた男の巫女。
その二人が構成する翼の名は。
――黒鋼の翼、といった。





用語解説


サン・ラプス

かつて世界を崩壊させたもの。地上の半分は荒れ地になり、残り半分も社会として機能しない状態までの損害を受けた。大きな光の筋が地上に落ちたことが原因とされていることから「Sun Lapce」=「太陽の落下」と呼ばれるようになりました。この時から、人間の中に摩訶不思議な能力を使えるのが出てきたんですね。
SLE能力者

正確には「Sun Lapce Effect」能力者といいます。かつて起きた「サン・ラプス」、つまり「Sun Lapce」の影響(Effect)により、通常にはない力を手に入れた人達です。一般人に対し、あまりに力の差がありすぎるため、この力を濫用して犯罪を起こすケースが多発。そういった犯罪者を一般とは区別してSLE能力犯罪者(そのまんまだ・・・)と言います。
セントル・マナ

SLE能力を悪事に利用する者達を取り締まる機関。
中心都市デルタ・ヴァルナの中央に建っている。
都市の中で一番高い建物で、遠くから見ると一本の線が伸びているように見える。

中心都市・デルタ・ヴァルナ

サン・ラプスの後、ほぼ全壊した都市のなかで、最も再建が進んだ都市。サン・ラプスが落ちた場所の正反対にあったため、損害が一番小さかった。
セントル・マナはこの都市に所属。ただし、他の都市にもセントル・マナのような機関は存在する。
十老

セントル・マナを実質的に動かしている十人のじー様ばー様方。十人それぞれに称号がある。
「辿老(てんろう)」・「燗老(かんろう)」・「翔老(しょうろう)」
「黎老(れいろう)」・「昏老(こんろう)」・「扇老(せんろう)」
「凱老(がいろう)」・「衒老(げんろう)」・「凌老(りょうろう)」
「翠老(すいろう)」ですね。
この中の「燗老」がジュルバ、涼子の育て親みたいなもんです。

騎士と巫女のペアのこと。セントル・マナではこの翼として仕事をこなします。ペアは基本的に上が相性などから決めますが、希望があれば考慮されます。相方が決まるまでは仕事を受けることはできず、「片翼待ち」として待機。
黒鋼の翼は涼子とシコウのペアで、セントル最強の翼です。
騎士

SLE能力者のなかでも身体的能力を持った者がなります。例外を除いて通常は男性がなるもの。ただし、騎士としての能力はセントルに入るまでありません。それまでは巫女同様、魔力的な力です。セントルに入って初めて、その能力を身体的能力として還元されるんですね。要は人工的に加工されたってことです。
巫女

こっちは、魔力的能力を持った者がなります。これまた例外を除いて女性がなるもの。この中で飛び抜けて能力が高いのを「仙」といいます。現在、シコウを含めて四人いるのでまとめて「四仙」と呼ばれます。「四仙」のように、身体的能力者よりも魔力的能力者の方に能力値の高い者が出るため、セントル・マナでは騎士よりも巫女を重宝する傾向があります。





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