見かけたのは、ほんの一瞬。
瞬きの間に、その姿は人の波に埋もれてしまった。
それでもその姿はあまりに印象的で、そのまま忘れてしまうにはこの胸に焼き付いていてどうしようもない。
だから探した。
幸運にも、自分はたった一人の人間を少しだけの情報であっても、捜し出せるだけの地位と冨があった。
そして、見つけたのだ。
彼女はあの場所においても目立つ存在であったからそう時間の掛かることではなかった。
必ず、手に入れるのだ。
こんなにも心惹かれたのは初めてなのだから。
あの美しい、可憐な華を。
「はあっ!?」
城長の部屋に呼び出され、話を聞いた浮城の美人捕縛師サティンの開口一番がこれだった。眉をこれ見よがしにひそめ、何を言ってるんだと全身全霊で表してやる。
「何で、私が見合いなんてしなくちゃならないんですか!?」
身を乗り出して抗議する捕縛師に、城長も少々たじろぎながら応えた。
「何故って……君もそろそろそういう年頃じゃないか。今の内に身を固めて、だね……」
この弱々しい言葉に、サティンはさらに不審そうに目を見張る。
「浮城にいる人間の何割が独身か知ってるんですか!? だいだい、私だけってのにも納得がいきません!! 同期の女性だって他に一杯いるじゃないですか!!」
ここぞと相手の弱点を詰めてくる曲者捕縛師に、うっと呻き声を漏らして、城長はしばし口ごもった。
そして、観念したようにため息をつく。
「うーむ、仕方がない。正直に言おう」
この後城長が紡いだ言葉。
これに、サティンはさらに顔を歪めることになるのだった。
「冗ー談じゃないわよっ!!」
城長の部屋から出て、リーヴィの部屋で出された紅茶を一気に飲み干し、サティンは叫んだ。その様子にその部屋の主のリーヴィはもちろん、彼女の護り手の彩糸や謎の捕縛師セスランも唖然と彼女を見守る。
「どうして、私が一国の王子のところなんかに嫁がなきゃならないのよ!!」
彼女の言葉の内容とそれに対する反応は明らかに常識はずれであった。
一国の王子に求婚されて手放しで喜ばない女性は、まあ、実際いるのだから皆無とは言えないが多くはないだろう。
だが、サティンの場合、状況が状況だった。
ただでさえ、夜も眠れないほどの不安要因を抱えているというのに、メルヘンちっくなお伽話に身を投じろと言う方が無理な話だ。はっきりいってそんな余裕はない。
だというのに、わざわざ、城長直々に呼び出されて言われたのだ。
その国から相当の圧力を掛けられているに違いなかった。
「サッ……サティン……大丈夫?」
おどおどしながら問いかけてくる金髪の美少女に、サティンはハァーと深いため息をつく。
「大丈夫……とはお世辞にも言えないわね」
短く応えて、頭を抱える。
「まあ、サティン落ち着いて下さい。きっと何か方法がありますよ」
優しい響きで彩糸が励ましの声を掛けてきた。
「そうですねぇ、私達の浮城での立場上、上もそうそう無理強いはできないでしょうから」
続いて、セスランも慰めの言葉を口にする。
だがそれ以上のものにはならないのも事実。
サティンはまた、深いため息をそこに落とした。
「ほっ……ほら! あんたも何か言いなさいよっ」
見かねたリーヴィが端っこで他人事のような顔をしているサティンの護り手に言葉を促す。が、その当の本人は微かに眉をひそめて不可解そうに首を傾げた。
そして口にしたのは……。
「さっきから……何をグダグダ言ってるんだ? 好都合なことじゃないか」
瞬間、その場の空気が凍る。
サティンもピクリと反応した。
「……はあ!? なっ……何が好都合なのよ!?」
口をパクパクさせた後、リーヴィが思わず声を荒げる。
しかし、鎖縛は自分の言葉に反省する様子もなく続けた。
「だって、そうだろう? 一国を味方につけちまえばその分情報が広がるじゃないか」
お前達はその情報のためにわざわざ浮城に残ってるんだろうが、と。
心の底から不思議そうに言う鎖縛。
また絶句し、口をパクパクさせるリーヴィ。
次にその中で行動を起こしたのは……サティンだった。
ガタリッ、と立ち上がる。
皆の視線を一身に集めつつ、その顔をおもむろに上げた。
その顔は微かに微笑んでいる。
その目以外を除いて、だったが。
「……そう」
微かな声。
「その通りね、鎖縛」
にっこりと、穏やかな、だが表面だけの笑みを相棒に向けた。
その笑みに、鎖縛も何か嫌な予感を感じ取って一歩思わず後ずさる。
今更ながら、理由こそわからないもののしまったと思った。
が、もう手遅れである。
「受けてやろうじゃない、この見合い」
「サティン!?」
少々(?)狂気じみた光をその瞳に宿して、サティンは呟く。
「だけど、鎖縛……あんたにもいろいろと協力してもらうわよ?」
否を言わせぬ問いかけだった。それでも鎖縛は顔を顰めて言う。
「何で俺が……」
巻き込まれなくちゃならないのかと、告げきる前に。
「お黙り」
殺気のこもった声で制止させられた。
「ちょっとサティン!!」
部屋を出て、廊下を歩きながらリーヴィはサティンに声を掛ける。
「本当に結婚しちゃう気なの?」
そんなのは駄目だと言外で告げる少女に、サティンは微かに微笑んだ。
「私がいつ結婚するなんて言った?」
そのすっぱりした言葉に、リーヴィは目を丸くする。
「だって見合い受けるって……」
「見合いは、ね。要はそこで相手に諦めさせればいいのよ」
「って……どうする気なの?」
何て言ったって、わざわざ城長から頼ませるほどだ。
そうそう軽い想いとは思えなかった。
だが、サティンは不敵な笑みをその口元に刻んで言う。
「だから、あいつを使うんじゃない」
「冗談じゃない!!」
昨日と同じリーヴィの私室で、昨日と同じ面子を前に。
昨日サティンが叫んだのと同じ言葉を鎖縛は怒鳴った。
その手に渡されたのは一冊の紙の束。
世の中ではこれを「台本」と人は呼ぶ。
問題はその内容だった。
「何なんだ!? これは!?」
少々青ざめたようにも見える漆黒の美貌の青年には見て取れるように鳥肌が立っていた。
「嫌、とは言わせないわよ、鎖縛。セスランが徹夜してつくってくれたんだから」
ふん、と鼻を鳴らして言うサティンにその台本の作成者ことセスランが付け足す。
「いえ、自分の名誉のために言わせてもらうと、途中ですぐ衣於留さんにペンと紙取られちゃったんですけどね」
「!? 衣於留っ!!!!」
怒りを思いっきり込めてその名を鎖縛は呼びつけた。
するとふいに空間からクスクスと笑い声が落ちてきた。
その声の主は言うまでもない。
「だーって、面白いんですものー」
「このっ!! 他人事だと想いやがって!!」
「あら、他人事だもの」
なんとも良い性格の女魔性に鎖縛は絶句する。
「まあ、貴方が命にも賭けて護らなくちゃいけないサティンの一大事なんだから頑張りなさいな」
艶やかに笑い、ポンポンッと激励とばかりに肩を叩いてやった。
「ふざけるなっ!! 俺は絶対御免だぞ!!」
それに!! と鎖縛は付け加える。
「適役なら他にもいるだろうが!! そこのブロンズ髪の奴とか、あの世話好きな小僧とかっ!!」
「いやですよぉ、そんな末代までの恥にしかならないようなこと」
セスランが珍しくも穏和な顔を顰めて拒絶した。
「あいつにこんな芸当ができるわけないし、精神的にガキだもの」
リーヴィが藤色の髪の青年を思い浮かべながら、本人が聞いたら今にもこの場に現れそうな言葉を連ねる。
「そんなの俺だって、嫌だ!!」
満身創痍で叫ぶ鎖縛に、再び、ポンッと肩を叩く者があった。
サティンだ。
にっこりと、だが底知れぬ何かを含む顔を向けて。
「あの人に言いつけるわよ?」
「!?」
この虎の威を借る女狐がっ!! と心の中で罵倒する。
だが、それに動じるような女であったならこんな苦労はしていないのも事実。
漆黒のその美貌の青年に、もはや、選択権は残されていないのであった。
カチャリと、焦る想いをどうにか押さえながら運命の扉をゆっくりと開く。
この瞬間をどれだけの間眠れずに待ったことか。
だが、もうそんなことはどうでもいい。
今まさに自分の願いは叶うのだから。
「ご機嫌麗しゅう、美しいマドモワゼル……」
ゼルガワヂュール王国の第一王子、トマス・ガウスは正装の服に身を包んで椅子に座っているサティンをその目に移すなり思わず顔を綻ばせてそう囁いた。
まあ、当のサティンはそれに、思わず吹き出しそうになるやら鳥肌立ちまくりやら多大なダメージを違った意味で受けたのだが、それは余談として置いておこう。
「お初にお目に掛かります。ここで捕縛師を務めております、サティンといいます」
さもしおらしげに(もちろん演技だが)サティンは言葉を紡ぐ。
その彼女の様子にトマスは感嘆するようにほうっと息を漏らした。
「ああ、やはり貴方は私の想像通りの人だった」
どんな想像をしていたのよ、どんな想像を。
つい、引きつらせてしまった顔を俯かせて、サティンはまた言葉を紡ぐ。
「勿体ないお言葉です」
「そんなことはないさ」
はははと笑って王子はスルリとサティンの手を取った。
そして、言った言葉は。
「式の日取りはいつが良いだろうか?」
……絶句。
いきなりかいっ!!
一瞬言葉を失ったサティンは、それでもこのままの流れではまずいと、さりげなく視線を横に流す。
それに幸運にも王子は首を傾げてくれた。
「何か心残りでも?」
残すも何も、鼻から行く気なんてないわよ、と言ってやりたい気持ちを抑えて。
「いえ……大したことじゃないんです」
またまたしおらしく(無論演技だが)告げる。
ここで、王子は何なのだと突き詰めようとするのが普通だろう。
だが、この王子は若干(?)普通とはかけ離れたところにいる人間だった。
「なら問題はないな」
とあっさり流してくれる始末。
そのまま、また式の日取りやらドレスやらに話を進めようとする王子をサティンは声を荒げて制止する。
「いっ……いいえ!! 実は大問題です!! 本当にもうこれ以上ないってくらいにっ!!」
懸命なサティンを見遣り、王子は一瞬沈黙した。
「む……そうか。して、その問題とやらは?」
この言葉にサティンは内心よしっ、とガッツポーズをして椅子に座り直す。
「実は……その……」
俯き加減に言いにくそうに、(くどいが演技である)サティンは言葉を濁らした。
それにハッとするトマス。
「まさか……私の他に男がっ!?」
いつからあんたは私の男になったのよ。
思わず突っ込みたい心を鎮めて、コクンッ、と頷いてやる。
この瞬間の王子の顔はまさに世の終わりというものだった。
ここまで顔を青ざめられる人間がいるなら見てみたいというまでに。
「ど……どこのどいつだっ!? 言ってくれ!! そいつは今どこに!?」
「ここに……」
静かに呟いて、サティンは王子には見えぬようその口元に微笑みを浮かべた。
穏やかで有りながら、本質はそうではないそれは、これから起こるであろう事に思いをはせたためのものであった。
「セスラン……今からでも代われるぞ……」
顔を引きつらせた鎖縛が、隣でにこにこと笑っているブロンズ髪の男に問いかける。
「御免だと、何度言えばわかってくれるのでしょうかねぇ」
「そうよ!男でしょう!? 一発がつんと覚悟決めていきなさいよ!!」
リーヴィが仁王立ちして叫んだ。
その金髪美少女を恨めしげに見遣って、鎖縛が最後の抵抗を口にする。
「だいだい、おかしいだろう!? あいつは情報のために結婚するって言ったんじゃないのかよ!? なんでこんなわざわざ見合いを潰すような真似を……っ!!」
言いかけた言葉は、その場にいる全員の深いため息に遮られた。
「わかってませんねぇ」
「ええ、全くわかってないわね」
「何がだ!?」
こちらを小馬鹿にした態度にさすがに鎖縛もムカっとくる。
そんな彼の頭をポンポンっと叩いたのは衣於留だった。
「私の教育が行き届かなかったばっかりに……」
よよっ、と姉面して泣き真似などしてくれる。
この時だった。
プツンッと何かが鎖縛の中で音を立てて切れたのは。
もう、とにかくここから離れたかった。
訳の分からない会話を繰り返す真っ直中にいるのは我慢の限界だった。
だから、頭を撫でている衣於留の手を振り払って立ち上がる。
「行けばいいんだろ!? 行けば!!」
とにかく、言われたとおりにすれば文句を言われる事も筋合いもないわけだ。
フイッと右手を無造作に振り上げる。
途端に漆黒の髪や瞳はその色彩を変え、服装も台本通りのものに変化した。
一瞬、それに皆言葉を失う。
「さっさと片づけてきてやるよ」
言うと、鎖縛はそのまま扉のドアを開いてそのまま行ってしまった。
その後に漂ったのは残された者達に流れる沈黙。
「……いや、まあ、さすがにあの人と同じ顔だけはありますねぇ……」
「何て言ったって、柘榴の妖主と同じだから。……それは、ねぇ」
「普段は意識しないからなおさら……かしら」
あの、世界の頂点にたってもおかしいことはない美貌の深紅の青年と、酷似した容姿を携えた青年。
要はその姿に見惚れてしまったのだと、口にする者はついぞなかった。
どれだけの時間が過ぎただろうか。
ただ何の変哲の示さない扉を前にした者達のとっては、それは随分と長く感じた。
「まだ……かしら」
少々苛立たしげに呟くリーヴィ。
対する年齢不詳の捕縛師の返答は短いものだった。
「……のようですねぇ……」
しばし流れる沈黙。
やはりしびれを切らしたのは幼い金髪の魅縛師だった。
「もー待てないわよっ!! 何時までかかってんのよ!?」
そう叫び、彼女が皆の制止を振り切って扉へ歩み寄ろうとした刹那。
────バンッ!!
勢いよく開かれた扉から、それとは相対的によろよろと足取りの覚束ない男が出てくる。
絶句する皆の前で、しかし彼らに気づく様子もなく。
「ああ、ガンダル神よ……」
と悲壮も露わな顔で天を見上げたかと思うと、貴方は残酷だーとかなんとか言いながら走り去ってしまった。
すると後からすぐにお付きの者と思しき人間が2,3人彼の後を、
「王子!! お気を確かに!!」
とかなんとか叫びながら追っていった。
呆然とそれを見守っていた見学者達に次なる鋭い音が届いたのはその直後だった。
バッシィイイイッッッッッッン!!
「なっ……!?」
何事かと誰かが口にする、その前に……。
「何しやがる!? この暴力女!!」
「うるさい!! それはこっちの台詞よ!!」
「俺は台本通りにやっただけだろうが!!」
「やりすぎよ、この馬鹿!! 限度ってもんがわからないの!?」
「何だと!?」
恐ろしいほどの応酬が部屋の中から響いてくる。
「なっ……なんなのよ? どうしたの、サティン?」
思わず駆け寄ったリーヴィはあまりに取り乱しているサティンに声を掛けた。
が、当の彼女は全く聞こえてない様子。
それは彼女に対立する青年も同じで……。
「だったら、書かなきゃ良いだろうが!!」
「まさか最後の最後までいくとは思わなかったのよ!!」
懇親の思い込めてサティンが叫ぶ。
こいつのことだから、いつもの仏頂面で台詞を棒読みするのだと、それを自分がちょっとフォローしてやって、それで済むのだと信じて疑わなかった。
ついでにそのネタでからかってやろうと、そう思ってこの役にこいつを抜擢したのだというのに。全てが、裏目に出た。まさかあそこまで迫真の演技をされるとは。
本性を知るサティンでさえ、思わずグラリとくるものがあったのは悔しいが認めてやろう。普通の奴が口にするようなら爆笑するしかないあの台詞も言う者と言い方によってはあまりに危険なものとなるのも事実として受け取って……。
って違う!! 問題はそうじゃないのよ!! 問題はそこじゃなくてっ……。
「……ねぇ、最後って確か……」
リーヴィの硬い声が耳につく。
「手と手を取り合って……それで……」
サティンの頬を嫌な汗が伝い落ちた。
「そのまま、口づ……」
「リーヴィィイイイ!!!!!」
あまりの剣幕に少女は紡いでいた言葉を途絶えさせる。
サティンの目には明らかに危険な光が宿っていた。
「……って本当に……やっちゃったの……?」
呆然と、唖然としている少女を初め、他の面子を前にサティンが応えられずにいると……。
言ってくれたのだ。
彼が。
今一番いってはならないその言葉を。
「何だ? そんなの初めてじゃあるまいし」
「………………・」
サティンが息を吸い込むのを忘れ、皆が先ほど以上の絶句をした瞬間であった。
長い長い沈黙の後、皆が声を揃える。
「……はい?」
初めて、ではない。
それが意味するところはつまり、それは以前にも起こったことであって、今回初めてではないと言っている対象はつまり……その……あれ、であって……。
……思わぬ出来事にまたの沈黙。そして……。
「ええええええええええええぇえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!??????」
絶叫が、………部屋を突き抜けた。
「ちょっと!! どういうことよっ、サティン!? 初めてじゃないって!! なにそれ!?」
「いつの間にそういう間柄に……」
「鎖縛ってば奥手だとばかり思ってのに……」
と、次々と感想を述べてくれる。
「ちっ……違うわよ!! あれは事故よ事故!! ちょっと、鎖縛!? 誤解を招くような言い方をしないでよねっ!! あれはあんたが勝手にっ……」
「迫られたのっ!?」
「せっ…迫!? ちょっ……だから、違うのよ!! いや、それはある意味正しいって言えば正しいけど……ってそうじゃなくて本当にそういうのじゃ……ねえ、鎖縛!? ちょっと、あんたも何か……」
言ってよ、と。
ちらりと鎖縛に視線をやる。なんとか誤解を解けと言外で伝えようとする。
が、相手が傲慢気まぐれ自分勝手の「魔性」であることをこの時サティンはすっかり忘れていた。見遣った相手の顔はよくわからんがこの話はお前にとってまずいのだな、となんとも不敵な、良い餌を見つけたとばかりの笑みを携えていた。
しまった、と。
思ったときには遅いもの。
「さぁーてなぁ? どうだったかな?」
魅惑的なその顔に、意味ありげな微笑。
反応したのはサティンだけではない。
「ちょっ……どういう意味よ!? それ!!!」
リーヴィはそれに頬を真っ赤に染め、セスランはほお、と感心するような仕草をし、彩糸は何も言わずに見守り、衣於留はあら、まあと頬に手をやっている。
当のサティンは……頭を抱えたとだけ記しておこう。
この75日の噂はあっという間に広がったそうな。
めでたし、めでたし。
<fin>
はい、iruです。突っ走りました。ええ、もう、どこまでも。闇ラスに続いて鎖サです。鎖縛君が見合いの間でどんな台詞を、またどんな風に言ったかは皆さんのご想像に・・・・任せさせて下さい。やっちゃったあれについて、初めてじゃないっていつやったんだ?と言う方は「ささやきの行方」の鎖縛君がラスを手に入れるためにサティンを人質にとったところをご参照下さい。初めのほうでちゃんと明記されてます。(笑)ってなわけで、裏タイトル的には「鎖縛くんの逆襲」みたいな?(笑)たまにはサティンを困らせてみようってことで。というかトマス君は何をしにきたんだって感じですね。それではそろそろ逃げます。ではっ!!(ダッシュ)
BACK